日立家庭用乾燥式生ごみ処理機「ECO-VS30」(その1 導入篇)

小金井市には「家庭用生ごみ減量化処理機器購入費補助制度」があって、申請すれば購入金額の80%が補助されることは、わりとよく知られている。
わが家でも、数年前にこの制度を利用して、家庭用バイオ式生ごみ処理機BGD-V18(日立)を購入したのだが、ある方から、このモデルが発煙・発火の危険があるので回収・交換の対象になっていることを教えていただいた。
交換される機種は、バイオ式ではなく乾燥式のため、どうしたものかと思っていたのだが(交渉次第では、交換ではなく返金に応じてもらった例もあるらしいが)、けっきょくこの乾燥式モデルECO-VS30に交換することにした。(なお、前回購入から5年以上経過していないので、今回は市の購入費補助は利用できなかった。)

これまで使っていたバイオ式と比較しながら、このモデルの特徴をメモしておきたい。今のところの評価としては、乾燥式の方が使いやすい印象である。なお、記述が長くなるので「バイオ式」と「乾燥式」と略記したが、それぞれ上記の特定のモデルのことを指しており、バイオ式一般とか乾燥式一般のことではないのでご注意いただきたい。

「バイオ式」と「乾燥式」、仕組みの違い

旧モデルは電動のバイオ式。機械のなかに「バイオ菌」を混ぜた「バイオ剤」(おがくずのような形状のもの)が入っていて、そこに生ごみを投入し、熱を加えながら撹拌すると、一定時間の後にバイオ菌によって生ごみが分解されるという仕組みである(骨や梅干しの種などを除き、元の生ごみの形は失われる)。稼働中は、臭いと熱が発生する。また、分解されるといっても消滅するわけではないので、だんだんバイオ剤の量は増えていく。したがって、増えすぎたらバイオ剤を取り出し口から取り出して、一定量まで減らさなければならない。
一方、新しいモデルは同じく電動だが乾燥式で、生ごみに熱風を当てながら撹拌し、乾燥させて量を減らす方式である。稼働中には、やはり臭いと熱が発生する。バイオ剤などは使わず、ひたすら乾かすだけなので、分解はされず、処理後には、焦げたような枯れたような状態になったものが残る。これも、処理を重ねるとだんだん溜まってくるので、溜まりすぎたら取り出して捨てることになる。

稼働時間と消費電力

わが家は三人家族(大人二人、幼児一人)で、生ごみの発生量はさほど多くない。毎晩、一日分の生ごみを投入するが、ちょうど生ごみ入れ一杯くらいの量である(生ごみ入れについては下記「番外篇」参照)。
バイオ式の場合、それを分解するのに6〜7時間の稼働(定格消費電力490W)、乾燥式では1.5時間くらい(同850W)である。稼働時間がこれだけ短ければ、乾燥式の方が省電力ではないかと思われる。

臭いと熱

バイオ式でも乾燥式でも稼働中には臭いと熱が排出される。
臭いの好き嫌いには個人差があるので何とも言えないが、わたしにとっては、バイオ式の独特の臭いに比べると、乾燥式の臭いの方がなじみやすい。また、バイオ式の方が稼働時間が長いので、そのぶん臭いが気になると思われる。
発生する熱は比較しにくいが、稼働時間中についていえば乾燥式の方が高熱を発しているようだ。設置場所は一坪程度の洗面所だが、その室温が5度くらい上昇する(バイオ式でも室温上昇はあったのだが、何度くらい上昇したかは記憶していないので、数字で比較はできない)。但し、これも稼働時間の問題で、たとえば深夜12時に稼働開始したとして、バイオ式ならば朝起きたときに洗面所に熱と臭いがこもっている感じがあるが、乾燥式では、発生した熱や臭いはすでに消えている。
臭いに関しては、排気の臭いの他に、機械のフタを開けたとき(生ごみを投入するとき)の臭いがあるが、これもバイオ式の方がくさいと思う。乾燥式の方は、まだ魚介類の生ごみを入れていないのでそれによって変わるかもしれないが、野菜類の生ごみについては「野菜炒め」のような臭いである。よく言えば「香ばしい」というか。

処理容器が取り出せるかどうか

大きな違いの一つは、処理容器(実際に生ごみを投入する、機械の内部のうつわの部分)が、取り出せるかどうかである。バイオ式は一体構造なので取り出せないが、乾燥式の処理容器は、炊飯器の内釜を深くしたような形状のもので、バケツのような持ち手がついているので簡単に取り出せる。
取り出した処理容器(左)と本体
これのメリットは二つあり、一つは処理容器をキッチンまで持ってきて、その場で生ごみを処理容器に投入できることである。わが家はキッチンから設置場所(洗面所)まで少し離れているため、生ごみを運ぶ途中で「汁」が垂れそうになるのが気になっていたが、処理容器自体を持ち運べばその問題は解決される。これは、キッチンから離れたベランダなど室外に設置する場合にもかなりメリットだと思う。
もう一つのメリットは、おそらくメンテナンスがしやすいだろうということだが、まだメンテナンスをしていないので、他日を期したい。

堆肥化

どちらの方式でも、堆肥化するには一手間が必要(袋詰めして1〜2か月日陰に置くなど)。自分では堆肥化をしていないので何とも言えないが、堆肥化する手間を惜しまない人にとっては、説明書を読む限りどちらの方式でも大きな違いはないと思われる。

屋外・屋内どちらにも設置可能

どちらの方式も屋内外兼用タイプなので、防雨型コンセントさえあれば屋外に設置が可能(雨ざらしにならない、直射日光を浴びないなど条件はある)。但し、上で書いたような理由で、屋外であれば屋内であれ、キッチンから離れた場所に設置するなら乾燥式の方が便利である。

番外篇:生ごみ入れのこと

わが家で使っている生ごみ入れは、写真のようなもの。

  • 底面がシンクに接しない。
  • 網目ではないので、ヌルつきが少ない。
  • フタができるので、臭いが拡散にしにくい。
  • 持ち手があるので、運びやすい。

といった理由で重宝している。現在はこれの改良型?で、ろうと型(円錐型)のものが売られているようだ。

エポダストホルダー 三角コーナー ステンレス 蓋付き

エポダストホルダー 三角コーナー ステンレス 蓋付き

ちょっと高い気もするが、買って良かったという点では家人と意見が一致している。
但し、直径12センチくらいで、それほど多くは入らないので、生ごみが大量に発生する家庭では注意が必要(こまめに処理機に移せば問題ないと思うが)。

(「その2 メンテナンス篇」につづく、かも)